【マウスピース矯正と普通の矯正どちらがいいのか?】
みなさん、こんにちは。
足立区竹ノ塚の矯正歯科
稲葉歯科医院 院長の正井敬子です。
今回は「マウスピース矯正と普通の矯正どちらがいいのか?」について解説いたします。
結論から先に言いますと、マウスピース矯正と普通の矯正「どちらがいい」という事はあり
ません。患者さんそれぞれのお口の状態に応じて、適した矯正方法があります。
マウスピース矯正が向いているケースもあれば、普通の矯正が向いているケースがあるとい
う事です。
マウスピース矯正は、透明のマウスピースを歯に装着して歯並びを整える方法です。
代表的なものでは「インビザライン」が挙げられます。
マウスピース矯正は、矯正装置が目立たなく、取り外しが出来るというメリットがあり、近
年人気のある矯正方法となっています。
しかし、一般的な普通の矯正方法である「ブラケット矯正」をする人も、実際に数多く存在
します。
それぞれの矯正方法の特徴、また費用や矯正期間の比較を行い、矯正方法を選択するポイン
トについて解説して行きたいと思います。
【マウスピース矯正の特徴】
マウスピース矯正は、透明の装置なので口を開けても目立たないのが特徴です。
矯正治療中である事が周りに気づかれにくいので、人と接するお仕事をしている方や、多感
な年頃のお子様にもお勧めです。
メリットとデメリットをまとめると次のようになります。
(マウスピース矯正のメリット)
◆矯正装置が目立たない
マウスピースは透明の薄い板で作られている為、装着時も外見からは殆ど分かりません。
◆取り外しが可能
マウスピースは取り外しが可能で、食事をする時や歯みがきの時に外す事が出来ます。
快適に食事をする事が出来ますし、歯みがきがやりやすくなります。
◆装着時の違和感が少ない
装置に凹凸が少ないので、装着時に違和感が少ないのが特徴です。
発音もしやすく、会話の妨げになりません。
(マウスピース矯正のデメリット)
◆治療が難しいケースがある
マウスピース矯正は、全ての症例には対応出来ません。
抜歯を伴うような歯の移動距離が大きい場合や、歯にねじれがある場合、歯の根を大きく
動かす必要がある場合には向いていません。
無理に行っても、望むような矯正結果が得られない上、費用や時間がかさんでしまいます。
◆マウスピースの自己管理が必要
マウスピースは、取り外し可能な矯正方法ですが、これはメリットである一方、デメリット
にもなります。
マウスピースは、1日20時間以上の装着を基本としています。
食事や歯みがきで外した後は、すぐに装着しなくてはなりません。
取り外しが出来るからといって、外す時間が長くならないように、自分で注意しなければな
りません。
また、決められた期間(およそ2週間)ごとに、次の段階のマウスピースに取り替えなければ
なりません。取り替える日を間違えないよう、決められた通りに管理出来る事が大切です。
【ブラケット矯正の特徴】
ブラケット矯正は最も一般的な矯正方法で、歯の表面にブラケットという金属の装置を取り
付け、ワイヤーを通して歯並びを整えていく方法です。
様々なケースの不正咬合に対応出来る矯正方法です。
古くからある実績の多い、確実な矯正方法だとも言えます。
(ブラケット矯正のメリット)
◆対応出来る歯並びが多い
ブラケット矯正は、全体的に少しずつ歯を動かしていく為、全体的な噛み合わせまで細かく
矯正する事が出来ます。
対応出来る歯並びが多く、マウスピース矯正で難しかった、歯の移動距離が長いような症例
でも可能です。
◆実績がある
長年行われて来た実績の多い矯正方法です。実績がある分、安心感があります。
◆豊富な種類のブラケットがある
希望により様々な種類のブラケットを選ぶ事が出来ます。
目立ちにくい白や透明のブラケットや、歯の裏側に装着するリンガルブラケットを選択する
事で、ブラケット矯正も出来るだけ目立たない治療をする事が出来ます。
(※リンガルブラケットは適応症例が限られる場合もあります。)
(ブラケット矯正のデメリット)
◆装置が目立つ
ブラケットの種類によっては目立たないものもありますが、スタンダードな金属のブラケッ
トの場合、装置が目立ってしまいます。
口を開けた時や会話をした時に見えてしまうので、ストレスに感じる事があるかもしれませ
ん。
◆装着時の違和感
装置に慣れるまでは、唇や粘膜に装置が触れて、違和感を感じる事があります。
特にリンガルブラケット(裏側矯正装置)を装着した場合、舌に触れる位置に装置がある
為、違和感を強く感じる事があり、発音に影響する事もあります。
◆虫歯のリスクが高い
ブラケットは、取り外しが出来ない装置です。
ブラケットの周囲には汚れが溜まりやすいので、丁寧な歯みがきが必要です。
磨き残しがあると、虫歯になってしまう事があるので、注意が必要です。
【費用の比較】
マウスピース矯正、ブラケット矯正、いずれの矯正治療も自費治療となるので、費用は歯科
医院ごとに異なります。
(目安として)マウスピース矯正は、軽度の症例では30万円程度から難易度の高いものでは
100万円前後となります。
ブラケット矯正では80万円程度からとなり、審美ブラケットを使用する場合や裏側矯正を行
う場合は高くなり150万円程度となります。
マウスピース矯正の方が若干安くなりますが、歯を動かす距離が大きい場合はマウスピース
矯正では期間が長引くため割高になり、ブラケット矯正の方が安く済む場合もあります。
【矯正期間の比較】
矯正期間は、歯並びの状況や歯の動きやすさなどの個人差がありますので、一概には言えま
せん。あくまで目安の期間としては、次のようになります。
(マウスピース矯正)
およそ1年~2年程度です。
ただし、歯の移動距離が大きいようなケースでは、ブラケット矯正の方が向いており、マウ
スピース矯正でやろうとすると、更に長期間かかる事になります。
(ブラケット矯正)
一般的な表側の矯正の場合、およそ2年~3年程度となり、裏側から行う矯正の場合はおよそ3
年程度になります。様々な不正咬合に幅広く対応する事が出来ます。
【まとめ】
どちらの矯正方法を選ぶのが良いのか?
ここまで、それぞれの矯正方法の特徴、また費用や矯正期間の比較をして来ました。
矯正方法は、歯並びの状態を考慮して、歯科医師と相談の上、最善の方法を選ぶのが良いと
言えます。
「目立たない」というメリットだけを考えると、マウスピース矯正が好まれますが、歯並び
の状態によっては、マウスピース矯正が向いておらず、費用や期間がかかってしまう事も考
えられます。
矯正治療の目的は「歯並びを整える事」です。
どちらの矯正方法が、ご自分の歯並びに適しているのかを歯科医師に診断してもらい、矯正
方法を選択しましょう。
稲葉歯科医院
院長 正井敬子
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