【歯茎の化膿の原因について】
みなさん、こんにちは。
足立区竹ノ塚駅から徒歩4分の歯科・矯正歯科
稲葉歯科医院です。
歯茎の病気といえば「歯周病」のイメージがあるかと思います。歯茎が赤く腫れたり、出血が認められたりするなど、特徴的な症状が現れます。これらは、歯茎に細菌感染が起こり炎症反応が生じた結果、現れる症状です。
そこで気になるのが「歯茎から膿が出て来た」場合です。歯茎から膿が出る症状は、必ずしも歯周病とは限りません。
今回は「歯茎の化膿の原因や応急処置法」などについて、お伝えしたいと思います。
【➀これって歯茎の化膿?】
「歯茎から膿が出て来る」ということは、その中で細菌感染が起こり、傷口が化膿していることを意味します。具体的には、次のような症状が認められる場合、歯茎が膿んでいる可能性が高いです。
(➀-1)歯茎に白いデキモノが生じている
歯茎の一部に白っぽいデキモノが生じていて、そこから膿が漏れ出ている場合は、歯茎の内部が化膿しているものと思われます。
(➀-2)口臭が強くなっている
膿の中には、細菌や白血球の死骸、分解されたタンパク質などが含まれており、強烈なニオイを放ちます。その結果、口臭がきつくなるのも歯茎の化膿が疑われる症状のひとつと言えます。
(➀-3)歯が浮くような感覚や圧迫感が生じている
歯茎が化膿すると、内部に膿が溜まってパンパンに腫れることがあります。すると、歯が浮いたような感覚や上に押し上げられるような圧迫感が生じることがあります。
【➁歯茎から膿が出た時の応急処置法】
(➁-1)うがい薬で清潔にする
「歯茎から膿が出て来ている」ということは、細菌の活動が活発化しています。患部の周囲が不潔だとその活動性は更に高まることから、とにかく口腔内を清潔に保つことが大切です。市販のうがい薬を使って、お口の中を綺麗にゆすぎましょう。使用するうがい薬は、殺菌・消毒作用が期待出来るものを選びます。
ただし、アルコールが含まれているものは、患部への刺激が強過ぎるため、控えるようにして下さい。低刺激でノンアルコールのうがい薬がベストと言えます。「クロルヘキシジン」が主成分となっているノンアルコールのうがい薬がお勧めです。
(➁-2)鎮痛剤で痛みを取り除く
歯茎の化膿で強い痛みを伴う場合は、とりあえず市販の鎮痛剤で痛みを緩和しましょう。「ロキソプロフェン」が主成分となっている鎮痛剤がお勧めと言えます。
【➂歯茎が化膿した時にやってはいけないこと】
(➂-1)強引に膿を出す
膿が出ている部分を強く圧迫したり、針を刺して傷口を広げたりすることは止めましょう。化膿している部分は不潔となっていることから、強引に膿を出そうとすると病状が更に悪化します。
(➂-2)激しい運動や長時間の入浴
激しい運動や長時間の入浴では、全身の血行が良くなることから、痛みや腫れなどの症状も強くなりやすいため、控えるようにしましょう。歯茎が化膿している時は、出来るだけ安静にすることが大切です。
【④歯茎が化膿する原因と治療法】
(④-1)歯周病による歯茎の化膿
歯周病が重症化すると歯茎の炎症反応が強くなり、膿が生じるようになります。何もせず放置すると歯茎だけではなく、歯を支えている骨まで破壊されてしまうことから、出来るだけ早く治療を受ける必要があります。
◆治療法
歯周病菌の温床となっている歯垢や歯石を取り除きます。スケーラーと呼ばれる専用の器具を用いて、歯冠の部分には「スケーリング」、歯根の部分には「ルートプレーニング」を実施します。そうして感染源を除去することで、歯周病の症状も徐々に改善されて行きます。
(④-2)歯の根っこの先に膿が溜まっている
虫歯が重症化すると、歯の根っこの先にまで感染が広がることがあります。その結果生じるのが「根尖性歯周炎」と呼ばれる病気です。その名の通り歯周病の一種であり、歯の根っこの先で細菌感染が起こります。病巣が大きくなると顎の骨まで破壊するため注意が必要です。
◆治療法
根尖性歯周炎は、炎症や感染の大元となっている根管内の洗浄、消毒・滅菌を行うことが何より重要となります。根管内が無菌化されることで、歯の根っこの先の膿も自ずと消失して行きます。重症化した症例では「歯根端切除術」と呼ばれる処置法を実施することもあります。これは歯の根っこの先を切除することで、病変を丸ごと取り除く方法です。
(④-3)歯の根っこが折れて感染が生じている
歯に強い力がかかると、歯の根が割れる「歯根破折」という現象が起こることがあります。歯に割れ目が入ると、そこから細菌が侵入し感染を引き起こします。その結果、歯の根っこの先で膿が溜まるようになります。
◆治療法
歯根が割れた場合は、出来る限り元に戻るよう修復処置を施します。それが難しい場合は、抜歯することも珍しくありません。
(④-4)歯茎の傷口が化膿している
魚の骨のような尖った食べ物を口にすると、歯茎が傷つくことがあるかと思います。お口の中が不潔だとその傷口に細菌感染が起こり、膿を排出することがあります。
◆治療法
傷口を洗浄、消毒します。たくさんの膿が溜まり大きく腫れているような場合は、歯茎を切開して膿を排出します。必要に応じて、鎮痛薬や抗菌薬などを服用します。
【まとめ】
このように「歯茎から膿が出る」場合は、歯茎だけではなく歯にも異常が生じているケースも多いです。そのため、上述したような症状が認められた時点で、歯科を受診することをお勧めいたします。
◆稲葉歯科医院
(住所)東京都足立区竹の塚5-6-19
(TEL) 03-3883-1205
(稲葉歯科医院ホームページ)https://www.inaba-dc.jp
(矯正専門ホームページ)https://www.inaba-moc.com/
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